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ビール腹というけれど・・・

生活習慣病の予防はまずお腹から、という考えが一般にはかなり浸透するようになったのは「メタボ」という語の流行がきっかけでした。お腹の形にもリンゴ型、洋梨型など分類もさまざまありますが、今回の話の主役はビールをよく飲む人に多いといわれる「ビール腹」です。すっかり悪者になってしまった感のある「ぽっこりお腹」の原因の1つといわれるビールに、お腹を張り出させる効果は本当にあるのかを今回考えてみたいと思います。

まずカロリー源となる糖質の量ですが、ジョッキ2~3杯分で食パン1枚分にふくまれる量とほぼ同等になりますので、ビールだけを飲んで太るには、毎日相当な量を飲まなければならないようです。次にアルコールの量をみてみましょう。体内に吸収されたアルコールの大部分は分解酵素のはたらきによって、最終的には水と二酸化炭素に分解されてしまうのですが、この過程でからだにとって毒と判断されたアルコールは最優先して処理をうけることになります。

その結果、栄養素の処理が後回しになるため、脂肪の貯蔵や糖質からの脂肪合成が促進されてゆくのです。結論として、立派なお腹になるためには、ビールそのものよりも、アルコールと食事の内容や量の相互作用によるものだと考えなければならず、「ビール腹」は科学的根拠に基づいてつけられたネーミングではなかったことがわかりました。 お酒を益とするか害とするかはみなさま次第です。