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食べても太りにくい油って・・・?

年齢も50歳を過ぎると、日常の会話の中でも自分の健康に関する話題が増えてくるといわれます。中性脂肪値、コレステロール値などがちょうど気になりはじめる年代だからでしょうか。

ところで、こうした方たちをターゲットに「からだに脂肪がつきにくい」、「中性脂肪値が上昇しにくい」などの特徴をもった機能性植物油というものが市販されています。

CMのイメージが強いせいもあり、特定保健用食品の性質を誤解している方は意外に多いようですが、どの製品にも利用上の注意事項には「多量に摂取することにより、疾病が治癒したり、より健康が増進したりするものではありません。」と書かれています。つまり、厚生労働省が認める保健効果は、食用として常識の範囲内で使用する分においてある程度の効果が期待できるのであり、摂取量の増加に比例して効果が高まってゆくのではありません。

またこうした油が脂質代謝の改善に有効というデータがある一方で、肥満抑制効果がないことや揚げ物に利用すると劣化しやすいことを示す報告もありますから、安易に飛びつかずに今後の研究を見守ってゆく必要があると思います。

そもそも肥満の抑制や血中脂質値が改善のためには、油を変えるだけで良いという単純なものではなく、他にもいろいろな要素を考えなければなりません。油に限らず、ヨーグルト、甘味料、お茶など特定の保健機能を強調した食品・飲料水は、私たちの食生活にどんどん浸透しており、私たちを取り巻く食環境は充実してきたようにみえますが、機能性を集めた食品を食べれば、健康的なからだが手に入れられると安易に考える風潮があるのでしょう。正しい理解を妨げることになりはしないかと少し心配です。