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酸素入りの水が人気、でも「飲む」とどうなるの?

朝日新聞2006年8月2日号より

『通常の数倍~数十倍の濃度という酸素ガスをミネラルウオーターなどに溶かした「酸素入りの水」が最近、コンビニエンスストアなどで人気だ。今年の市場規模は昨年の3倍以上との推定もある。だが「飲む酸素」の「効き目」は、科学的にはよくわかっていない。

酸素は通常、呼吸によって肺から吸収されるが、酸素入りミネラルウオーターなどを販売する会社の広報担当者によれば、欧州の医学専門誌に01年、ウサギの実験で酸素が腸管から吸収されたという論文が掲載された。酸素入りの水で、筋肉疲労の目安となる乳酸値が下がったという論文もあるという。(中略) 酸素入り水を手がける大手メーカーは「当社は、宣伝で具体的な効果・効能はうたっていない。リフレッシュ気分を味わってほしい」と話している。』

三石先生は生前、活性酸素が生体へ与える傷害性、さまざまな病態との関わりから、抗酸化物質を積極的に摂取することの必要性についても説かれ、気分のリフレッシュを目的に酸素を吸入することに反対だったことは、著書を読まれたみなさまにはご存知でしょう。

大気中の酸素も傷害性は弱いながら、相手を酸化する性質をもっており、鉄などのミネラルとの反応により活性酸素の発生が増加してしまうのです。

ジュースなど清涼飲料水の多くには、酸素による品質低下を防止するために、わざわざ窒素ガスが充填されている事実からも、酸素の扱いには苦労していることが伺えます。 濃度を高めた酸素自体のもつ性質と、酸素水に含まれる微量のミネラルと濃度を高めて溶かし込んだ酸素との相互作用それぞれが、マイナスに作用する可能性がゼロとはいえません。 よって酸素水の飲用により得られるものはリフレッシュ気分ではないといえるでしょう。

酸素が足りないと感じられる方は、まず深呼吸してみましょう。水をあてにするよりも肺から酸素を取り込む方が効率も良いのですから。