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現代人は眠れない

2007年にフランス政府は、職場での昼寝の奨励や睡眠に関する研究を盛り込んだ「安眠アクションプラン」“国民よ、もっと眠れ”を発表しました。というのも、国民の3分の1が寝不足で、睡眠不足による関連疾患や交通事故の危険性があると警告されたからなのです。日本でも同じような問題を抱えているといえるでしょう。

睡眠不足には自分の意思で眠らない場合や眠りたい意思はあるが眠れない場合など、いろいろありますが、理由はどうあれ、睡眠時間を削る生活習慣は健康管理上大きなマイナス因子であることに間違いありません。睡眠中、からだの中では組織の修復をしたり、記憶の整理をしたり、健やかな日常生活をおくるために大切な仕事が休みなく進行しています。

睡眠時間と寿命の関係を調べたある統計では、長寿者は毎日6~7時間の睡眠時間を確保している場合が最も多かったことが知られています。それから、睡眠について考えるときに概日リズムも大切な要素です。概日リズムとは、ヒトが朝起きて夜眠るまでの1日を周期的に繰り返すリズムをいいます。時計遺伝子がそれをコントロールし、制御される遺伝子数は数百種にのぼるといわれます。

睡眠不足や昼夜逆転した生活習慣は、これら遺伝子の発現に影響を与えて概日リズムを乱す他、肥満や高脂血症など、メタボリックシンドロームにつながることもわかってきました。 こうした情報は時間生物学の成果によるものです。現在「睡眠」は健康管理上大きなテーマになっており、睡眠とからだの状態の関係について、今後も明らかになってゆくでしょう。「賢く眠れる現代人」をめざし、健やかな毎日を過ごせるように努めたいものです。

● 概日リズムを整えるためのワンポイント
起床時間はいつも一定を心がけ、起きたら窓を開けて朝日を浴び、朝食もきちんと食べましょう。

● 食事面のワンポイント
忙しい時も脳へのエネルギー補給のために、バナナ・和菓子などの糖質源+ヒトフードドリンクだけでも摂ることを心がけましょう。最低限必要な栄養素はしっかり確保できます。