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同じ砂糖だけれども・・・?

シロップや梅酒をつくるときに欠かせない“砂糖”ですが、なぜ上白糖ではなく氷砂糖をつかうのでしょうか?そこで今回は梅と砂糖の関係を科学的視点で考えてみることにしましょう。

梅の皮や果肉を構成する細胞の膜には小さな分子やイオンをとおす穴が開いており、水分子はこの穴を行き来しやすい性質をもっています。この膜を隔てて砂糖の濃度が異なると、濃い方をうすめようと水の分子が移動していきます。つまり砂糖分子が梅から水分を引き寄せているともいえます。この引き寄せる力を“浸透圧”といい、水を引き寄せる力の大きさは物質濃度に依存しています。上白糖を使うと出来上がりの時間は短縮できますが、梅に含まれる水分が早く抜けてしまうため、せっかくの風味成分をじっくり引き出すことができず、その上、底にたまった砂糖は氷砂糖に比べ溶けきらず残りがちに。これらの難点をクリアすることに適しているのが氷砂糖なのです。

このように同じ砂糖でも、それぞれの性質を生かして使い分けられていることや科学という学問が日常生活に密着したものであることがおわかりいただけたでしょうか。