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コエンザイムQ10(=CoQ10、補酵素Q10、ユビキノン)

私たちのからだの中に元々ある補酵素です。コエンザイムQ10を英語で書くと、co-(補う)にenzyme(酵素)がついてcoenzymeとなって、「補酵素」という意味になります。補酵素とは、直接からだの栄養になるのではなくて、からだの活動を助ける成分のことです。

コエンザイムQ10の体内生産量のピークは20歳前後だと言われます。加齢やストレスなどの様々な要因で減少し、40歳代でその傾向は加速化して、80歳代では半分以上も失われてしまいます。特にその減少が目立つのは、どこでしょうか。それは、休むことなく全身に血液を送り出している心臓なのです。


■からだの元気の源。いわゆる、からだのエンジン!

私たちの生命活動の基本となるエネルギーの95%は、全身の細胞1つ1つに存在するミトコンドリアが作り出しています。

コエンザイムQ10は、生体のエネルギー工場であるミトコンドリア内に多量に存在し、エネルギー生産の働き手として活躍しています。ですから、例えば、心臓ではコエンザイムQ10が不足すると、エネルギー源であるATPが十分に作れなくなるので、心臓の動きが低下し、動悸や息切れなどの症状が現れてくるのです。

以前から、コエンザイムQ10は、うっ血性心不全という心臓病に対する治療薬として利用されてきましたので、投薬で心臓の収縮が高まり、血液の拍出量が多くなることは、知られてきたことです。


■活性酸素の攻撃を防ぐ、ボディーガード!

もう一つの重要な働きは、強力な抗酸化作用で、フリーラジカルによるダメージを防ぐことです。山本順寛教授(東京工科大学)の研究によると、「酸化ストレスを生む脂質化酸化物質に対して、ビタミンCやCoQ10がいち早く働き、CoQ10が存在する間は、脂質過酸化物の生成はほぼ完全に抑えられた」とあります。コエンザイムQ10は、抗酸化物質の中でも主役的な存在で、その重要度はビタミンCやビタミンEと同格に位置づけられています。

細胞膜には、必要な栄養素を取り込んでウイルスや細菌から身を守ろうとする大切な役割があります。細胞膜が酸化されることは、倦怠感を生んだり様々な病気を引き起こしたり、老化を進めることにつながります。コエンザイムQ10は、体内の細胞膜を過酸化状態から守り、細胞膜の組織を安定させるパワーを持っています。肌に対しても言えます。紫外線による活性酸素のダメージから守り、新陳代謝を促して、肌の衰えを改善しますので、常に肌の細胞を若い細胞に保つための対策にもつながります。


■美の救世主!?

食品では、イワシ、サバ、牛肉、豚肉、ナッツ類、ホウレン草、ブロッコリーなどに多く含まれますが、食べ物からの吸収されるのは、1~2%だと言われています。ですので、30mgのコエンザイムQ10gを食べ物から摂取しようとすると、イワシならおよそ500g(中6匹)、牛肉ならおよそ1kg食べなければならないということになります。

コエンザイムQ10は、もともと医薬品でしたが、規制緩和により2001年からサプリメントや化粧品にも配合できるようになりました。すぐに市場に氾濫し、品薄で入手がしづらかったことは記憶に新しいことでしょう。

むくみや冷えに悩まされる女性は多いものです。原因の1つには、心臓のポンプ機能の疲労と血流の滞りがありますが、コエンザイムQ10は、血流のパワーアップと流れをスムーズにすることで解消してくれます。

美肌効果も忘れてはいけません。皮膚細胞のエネルギー代謝を高め、肌の内側からシワやシミを改善します。実験では、肌の保湿成分を作り出す能力が20%も高まったとあります。皮膚に直接塗ることによるシワの改善効果も報告されていて、美容業界でも注目素材です。コエンザイムQ10は、トラブル知らずの素肌づくりの強い見方なのです。