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活性酸素(フリーラジカル)

「呼吸をしたり考え事をしたり歩く」などといった全ての生命活動をしている時に(要するに生きているだけで)、必ず体内に発生する物質です。もともと、私たちのからだで作られていて、健康を維持する上で欠かせない物質の一つなのですが 増えすぎると悪影響を及ぼします。

物が酸素と結びつく働きを「酸化」と言います。剥いたリンゴを放置すると茶色に変色しますし、クギは時間とともにサビます。両方とも、空気中の酸素によって酸化された結果なのです。「活性化した酸素」というと、一見よさそうに聞こえますよね。でも、実際は反応性が高すぎて、細胞膜を構成する脂質、DNAなどを傷つけます。つまり、からだの細胞が酸化されて、錆びてしまうのです。ですから、過剰分の活性酸素の発生をできるだけ抑える事が健康維持や老化防止には、とても大切なことなのです。

では、活性酸素にはどのような種類があるのでしょうか


■第1段階:「一重項酸素」→強い酸化力

紫外線・X線・放射線などを浴びると発生することで有名で、目や皮膚に大量に発生してシミやシワを作ります。生物体内で発生した場合は、タンパク、脂質、DNAなどと反応して障害を起こすことが知られています。しかし、からだには無毒化する酵素がないと言われています。

スカベンジャー(抗酸化物質):カロテノイド(特にアスタキサンチン)、ビタミンA、B2、C、E、尿酸 、ビリルビン、女性ホルモンなど


■第2段階:「スーパーオキサイド」→もっとも多い

三大栄養素である、たんぱく質・炭水化物・脂質をエネルギーに変える時に発生します。体内に細菌・ウイルスなどが入ってきた時に生成され、体内で最も発生しやすい活性酸素ですが、幸いにもスーパーオキシドは消去されやすいものです。

スカベンジャー:SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)、ユビキノン、ビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、フラボノイドなど


■第3段階:「過酸化水素」→毒性が強い

生物が生命活動(呼吸等)をしている時に発生している活性酸素で、SODによるスーパーオキサイドが反応し合って消去する過程や、キサンチンオキシダーゼなどのオキシダーゼの酵素反応等から生成します。ラジカルではありませんが、わずかなきっかけで凶悪なヒドロキシラジカルに変身する不安定さがあるので活性酸素の仲間入りをしています。オキシフルは過酸化水素を3%の溶液にして、傷口の殺菌消毒に利用しているものです。

スカベンジャー:カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼ、ペルオキシターゼ、ビタミンCなど


■第4段階:「ヒドロキシラジカル」→もっとも恐ろしい

消去しきれなかった「スーパーオキサイド」と「過酸化水素」が、さらに化学変化することで出来ます。活性酸素の中で最も反応が強く、毒性(酸化力)も強い酵素です。手当たり次第に強力な酸化力で細胞を傷つけます。それどころか細胞内の核にまで入り込み、DNAを狂わせ、がんの発生原因にもなりえる最も恐ろしい活性酸素です。生体内では細胞障害を与える主な要因と考えられています。

スカベンジャー:グルタチオンペルオキシターゼ、ビタミンE・C、β-カロチン、フラボノイド、女性ホルモンなど