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脂質

一般的には脂肪と呼ばれ、水に溶けず、アルコールなどの有機溶剤に溶ける性質をもっています。1g当たりのエネルギーは9kcalで、三大栄養素の中で一番高いエネルギー源となります。脂質は、「単純脂質(脂肪酸・中性脂肪など)」「複合脂質(リン脂質・糖脂質)」「誘導脂質(ステロイド・コレステロール)」に分類され、種類は多数あります。

体の細胞膜、角膜、ホルモンなどの構成成分となるほか、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・Eなど)の吸収を助けて、からだの機能や生理作用などを一定に保つよう働くのです。貯蔵脂肪としてエネルギーの貯蔵もしてくれていますが、摂り過ぎると血液中に脂質が増え過ぎて、血管壁に脂質が分解されずに残る事になるので、肥満や高脂血症といった生活習慣病になってしまいます。現代は4割近くの人が摂り過ぎであるというデーターがでているので、安心はできないでしょう。


■あぶら=悪者ではありません!

からだにとって必要だけれども、体内では作れない、あるいはその量が限られているため食事から摂取する必要のある脂肪酸があります。それが「必須脂肪酸」です。種類としては、植物油に多い「リノール酸」、植物油や魚油(EPA・DHA)に多い「リノレン酸」、母乳やレバー卵黄にわずかに含まれ、リノール酸から作られる「アラキドン酸」の3タイプがあります。

▽リノール酸:
体内では作れないので、食品からの摂取が必要です。血中のコレステロールや中性脂肪値をある程度低下させると言われます。

▽リノレン酸:
αリノレン酸はエネルギーになりやすく、必要に応じて体内でEPA・DHAに作り変えられます。EPAには、血栓症予防や抗ガン作用があったり、アレルギー反応を軽減したりするほか、動脈硬化症の治療に用いられています。DHAは脳神経系の発育や機能維持に欠かせず、胎児や新生児には特に重要ですし、脳を活性化するので認知症にも効果を発揮します。

γリノレン酸は、細胞膜や皮膚の保護には欠かせないものです。ホルモン分泌を増やしアレルギーの抑制、生活習慣病を予防する効果や月経前症候群を改善するなどと言われています。

食品中にはわずかしか含まれないので、必要量を確保するのは難しいです。体内でも生成されますが、年を重ねるにつれて酵素の働きが弱まって、合成能力も落ちます。記憶をつかさどる海馬に多く見られ、記憶など脳の働きに重要な役割をもっています。記憶力が改善されたという研究結果が発表されたことから、認知症への期待が高まっています。

▽アラキドン酸:
食品中にはわずかしか含まれないので、必要量を確保するのは難しいです。体内でも生成されますが、年を重ねるにつれて酵素の働きが弱まって、合成能力も落ちます。記憶をつかさどる海馬に多く見られ、記憶など脳の働きに重要な役割をもっています。記憶力が改善されたという研究結果が発表されたことから、認知症への期待が高まっています。

■油脂の取り扱いにご注意を。

油脂性食品を長期にわたって保存しておくと、匂いや風味に変化が現れます。商品価値とともに栄養価値も低下し、酸化が進み過ぎると毒性も出来てきます。ですから酸化した油を摂取すると、下痢や腹痛などの急性の消化機能障害を起こすこともあるのです。酸化速度は温度が高くなるほど大きくなるので、油をフライなどに何度も使うと酸化は進みますし、スナック菓子やチョコレート、インスタント食品などの保存についても気をつけましょう。


■食べ物を美味しくする!!

脂肪自体には、もちろん味は無いのですが、最近の研究で、脂肪には旨みの促進効果があり、それ自体が旨みを表すことが指摘されています。脂肪酸は、食肉の口溶けに重要な役割を果たします。例としては、霜降り肉やまぐろのトロでしょうか。独特の味や食感を作り出して、食べ物をより美味しくしていますよね。