• 栄養素編
  • コラム編
  • 分子栄養学入門
  • 上級(会員専用)

糖質(炭水化物)

エネルギーになる栄養素の中で最も重要なものです。日本人の一般的な食事では、摂取エネルギーの60%前後を糖質で得ています。以前は砂糖やデンプン、食物繊維などを炭水化物として考えていましたが、最近では消化できるものを「糖質」、消化できないものを「食物繊維」として炭水化物を2つに分類しています。

また糖質は、単糖類(ブドウ糖・果糖・ガラクトースなど)、少糖類(ショ糖・乳糖・麦芽糖)、多糖類(デンプン・グリコーゲン)の3つに分けられます。

植物の光合成でつくられ、体内で消化されると、最終的にはブドウ糖まで分解されます。エネルギーとして使われるほか、脂質代謝にも関与していて、余った糖質は、グリコーゲンや中性脂肪に形を変えて体内に貯蔵されることになります。

同じエネルギー源である脂質と比較すると、発生エネルギーは1g当たり4kcalと少ないですが、燃焼スピードが速いため、エネルギーとしての即効性があります。特にブドウ糖は、脳や神経系に関して唯一のエネルギー源ですので、不足すると頭の働きが鈍ることになります。脳は体重のたった2%しかありませんが、そのエネルギー消費量は20%にものぼります。

1日のはじまりの朝食には、脳やからだへ瞬時にエネルギーを届ける必要があるので、甘いものを口にするのは、理に適ったことと言えるでしょう。


■やる気とスタミナ増強で元気ハツラツ!

不足すると、脳や神経の活動を阻害してイライラ感がつのり、倦怠感、無気力状態に陥ることとなります。受験勉強など集中しなくてはならい時、これでは困ってしまいます。とはいえ、お菓子などのビタミンを含んでいない糖質ばかり食べていては、脳の栄養源にはなりません。糖質は、ビタミンB1と一緒に摂ることによって、効率よくエネルギーにすることができます。

運動時には、糖質と脂質の両方がエネルギー源となりますが、その初期とパワーを必要とする状況下では、糖質が主に活躍します。ですから、糖質の貯蔵量が問題となってくるのです。スタミナのある人はどんな人でしょうか。これには、肝臓と筋肉中に貯蔵されたグリコーゲン量が関与しています。このことから、より多くのグリコーゲンを貯蔵し、効率よい代謝機能を持つ人が「スタミナのある人」ということがお分かりになるでしょう。ただ、摂り過ぎるとインスリンの分泌が低下して、糖尿病の原因となったり、余分な糖質は中性脂肪となってメタボリックシンドロームの引き金となりますので、注意しましょう。


■ アルコールを飲むときにも?

肝臓は「代謝(解毒)機能」をもっていますが、発ガン性物質やアルコールなどの化学物質の代謝においては、毒性を発揮します。糖質にはこれを抑制する働きがあり、「甘いもの(砂糖)は、飲酒による肝障害に対して好ましい影響を与えている」という結果が報告されています。お酒を飲む時、太るとかそういった理由でご飯(でんぷん質)を減らしていませんか。むしろ控えるべきものは、脂肪分であって、糖質ではないのです。

飲酒中は、からだが熱くなりますよね。これは交換神経が活発になり、肝臓のグリコーゲンとともにアルコールが燃焼しているからなのです。これがアルコールが抜けるまで続くのですから、糖浪費と脂肪合成も続くということになり、ついにはグリコーゲン不足と低血糖になります。このような状況下で、あなたは「ラーメンやお茶漬けが食べたい」という衝動に駆られるのです。