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ビタミンA

動物性食品に多い「レチノール」と、緑黄色野菜などに多く含まれる植物性の「βカロチン」の2種類があります。両者とも最終的な働きとしては同じですが、体内でそのまま働けるレチノールには過剰症の心配がある一方、βカロチンは「必要なだけビタミンAに変わる」という特色を持っているので過剰症はありません。

皮膚や粘膜の形成に欠かせないビタミンです。喉・鼻の粘膜が乾燥するのを防いだり、肺・気管支といった呼吸器系の抵抗力を高め、風邪などの感染症にかかりにくくしたりします。病気の回復を早めるほか、みずみずしい肌や艶やかな髪、丈夫な爪を育てるなど美容にも関係しています。さらに、ガン予防にも効果があるという研究も発表されています。


■ 目のビタミン

暗いところに入った時に、目が慣れる現象を暗順応といいますが、目の網膜にあるロドプシン(見るために必要な神経伝達物質)の材料となっています。これが不足すると光に対しての反応が鈍くなり、欠乏が続くと夜盲症(とり目)になりますし、そこまでならなくとも、ドライアイや視力低下につながります。また、ムチン層を作って目の表面の角膜と涙を接着したり、涙量を増やして目の粘膜の保湿性を高めたりして、目を乾燥から守る働きもあります。


■ ガン予防

粘膜の新陳代謝を活性化するのに役立ちます。粘膜が乾燥してくると次にできる細胞は硬く厚いものになり、ガンを抑制する通常のメカニズムが機能しなくなります。また、カロチンはビタミンAに変わってガンを予防するだけでなく、カロチン自身が体内を酸化から守ってその予防にあたります。


■ 化粧品や皮膚治療への応用

肌の保湿性を高めたり保護したりする作用があるので、不足すると乾燥肌になってしまいます。皮膚細胞の抵抗力が弱まった結果、細菌感染を起こしやすく、ニキビなどの肌トラブルが起こります。ここから、今まで肌荒れに対する成分として利用されてきましたが、最近では、活性酸素除去作用・加齢によるシワ改善効果が非常に高いということが明らかになってきましたので、その効果を期待した利用がなされています。

レチノイン酸は医薬品成分で、代謝を改善して死んだ角質層を剥がれやすくしたり、皮膚の再生を促したりする作用があります。医薬品のため化粧品には使えませんが、代わりに作用はレチノイン酸より弱い、刺激の少ないレチノールの使用が認められています。レチノールは、酸素・水・紫外線に弱いことから、品質が変化しやすいという弱点があります。ですからレチノール配合化粧品は、ほとんどが夜用となっています。