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ビタミンD

脂溶性ビタミンで、食べ物から摂れるほかに、日光を浴びると私たちの体内でもある程度つくり出せるビタミンです。ビタミンDにはいくつかの型がありますが、からだに対する働きの際立っているものは、ビタミンD2とD3の2種類になります。食品中のビタミンDは、ほとんどD3で、魚の肝や魚肉・バター・卵といった動物性のものに含まれていて、植物性食品にもごくわずかですが、椎茸などのキノコ類にD2としてあります。

普通、必要量は皮膚での生成量で十分まかなわれますが、日照量の少ない地域に住む人やお年寄りなど室内で過ごす時間の多い人などでは、その量が不足します。

ビタミンDは、カルシウムやリンなどのミネラルの代謝やホメオスタシスの維持、骨の代謝に関係していて、不足すると子供のくる病などの骨形成異常が起こることで知られています。最近では、ガン化した細胞を正常化する働きも認められています。


■太陽からの贈り物

日差しの強い日に太陽光線にさらされることは、シミやシワの原因になると嫌煙されがちですが、なにも日光は悪さばかりしているのではありません。必要なビタミンDの90%以上は、太陽の紫外線B波のエネルギーを皮膚が吸収することで生成されているのです。皮膚で作られたビタミンDは、肝臓と腎臓に2つの器官を通り、活性型のビタミンDに変化します。ビタミンDは、活性化されてはじめて様々な生理作用を発揮できるのです。 閉経による女性ホルモンの分泌低下やカルシウム・ビタミンD不足が、日本人女性の骨粗鬆症の原因だと言われています。食事からのビタミンD不足や加齢に伴う肝臓や腎臓での活性化が弱まると、活性型ビタミンができにくくなります。


■ビタミンなのにホルモン?

色々なホルモンと協力して、血液中のカルシウム濃度を一定に保つことでカルシウム作用の円滑な働きを維持しています。カルシウム濃度が低い時は骨からカルシウムを流出させて、カルシウム濃度が高い時は骨に沈着させることで、一定な濃度を維持しているのです。カルシウム不足時には、尿として排泄されないよう再吸収を促す働きもあります。このように、ビタミンDにはカルシウム代謝を調節するホルモンの一種として考えられているので、骨粗鬆症(骨がスカスカになって折れやすくなる疾病)の治療薬として活性型のビタミンDが利用されているのです。

骨と同様、カルシウムが材料になっているのが「歯」。子供はもちろん、大人もビタミンD不足でエナメル質が弱くなって虫歯ができやすくなるケースは多いものです。その他、不足すると筋肉でのカルシウムが不足して円滑な収縮が行えず、痙攣を引き起こすこともあります。