カスケード理論

三石巌は同じような食生活をする家族の中で自分だけが白内障になり、妻はなぜならないのかを疑問に持ちました。 そこから生まれた理論がカスケード理論です。

カスケードとは段々滝を意味する英語ですが、この滝に流れる水をビタミンに置き換えてみましょう。 図はたくさんの水車が上から下に向かって階段状に並んでいる様子を示しています。 この水車が回ればタンパク質が合成されると仮定し、上から下に流れ落ちる水をビタミンと想定しています。 生体内でタンパク質を作るために起こる化学反応は、3000種類以上あると言われています。 つまりこのカスケードには1000の桁もの段数があることになります。

段々に並べられた水車は、人によって順番が違います。例えばかぜを予防する物質の水車が一番上にある人もいれば、一番下にある人もいます。 流れ落ちる水(ビタミン)の量が少ないと、上の方にある水車は勢い良く回転しますが、下の方の水車は動きません。 ビタミンの摂取量が少ないと下の方にあるタンパク質をうまく作ることができないことになります。 しかも順番には個人差があるので、例えば微量のビタミンでかぜ予防物質を作れる人もいれば、同じ量でかぜ予防物質のところまでビタミンが届かない人もいます。 前者はかぜをひきにくく、後者はひきやすいということになります。

三石巌は自身の白内障を予防するための水車は下の方にあり、妻はその水車が上の方にあると考えたわけです。 1000の桁の段数がある水車の一番下の段まできちんと回転させるためには、それに見合った大量の水(ビタミン)を流さなければなりません。