松浦様インタビュー

笹木
お久しぶりです。半田先生(三石理論研究所所長)から、松浦さんがとてもよく勉強しているとお聞きしていましたので、お話を伺いたいと思ってました。
松浦
2014年2月ごろに半田先生をお訪ねした時、三石先生に教えて頂いた考え方がとても役に立っていると言ったからかなぁ(笑)
三石先生に教えていただいたことの確認をとるとしたら、今は半田先生しかいらっしゃらないですからね。
今在宅医療に携わっているんですよ。開業して30年で今はスタッフも12人います。
日本鍼灸師会と東京都鍼灸師会の理事をしていて、僕の専門は介護予防ですが、指導のための講演をしていろいろなところに行く仕事もしています。
在宅ということは訪問するわけで、半田先生の隣のマンションにも患者さんがいるのでよく行きますよ。
対象者は寝たきりや動くのが困難だという方たちですね。
ドクターとかケアマネージャの方と協力してやっているので医療保険がききますからニーズも多いのでしょうね。
笹木
今は病院よりも在宅でという方が多いので需要は多いですよね。
松浦
国の政策として在宅を薦めていますからね。施設に入れるのは希望者の半分しかいないです、箱物が少ないわけですから。これから新しいものは作らないで、在宅に戻そうというのが政策で、僕たちがしているような訪問医療で手助けするというのがシステムとして出来上がっているんですね。
団塊の世代の方たちのために、どんどん作ってもお年寄りが亡くなってしまった時に、建物はどうするのかということですよね。
笹木
そういうことなんですか。
松浦
地域包括ケアシステムっていうんです。鍼灸師会の理事をしているので厚生労働省にも行くので、国の方針が聞けるんです。
笹木
半田先生に話を聞くきっかけになった在宅医学会ではどんな話をなさったんですか?
松浦
寝たきりや自分で運動のできない人は無理な姿勢でいるわけで、自分の望む姿勢ではいられないわけですからね。筋肉が拘縮して関節の動きが悪くなって“コリ”になり、痛みが起こりやすいんです。
2013年10月のインフォメーション(メグビーの情報誌)に痛みについて難しいことが解りやすく書かれていたんですよ。社会的疼痛症候群のことも書いてあって、これは福島県立医科大学の菊池先生の話も聞いていたので、とてもよくわかったんです。
発表する内容だったので、細かい確認をしたかったんです。
脳卒中などで身体が不自由になった場合、社会的にも精神的にも経済的にもストレスが大きいので拘縮が起きるわけですが、それをどう緩めてあげられるかということなんです。
血行が良くなれば痛みの改善はできるわけです。
血行が良くなれば楽になることは解っていても、寝たきりで痛みがある場合にはどう解決するかということの発表ですね。
半田先生にもお話ししたんですが、三石先生に一番感謝しているのは、思考回路がきちんとできたということなんです。
考える道筋を正しく教えていただいているから説明がきちんとできるんです。
各地で講演をする時に三石先生に教えて頂いたことを話すと、みなさんとても関心を持ってくれます。
それは話の筋が通っているから、なぜ必要なのかが理解できるからだと思うんです。

もう一つは板橋区にある東京都老人総合研究所(以下都老研)に出入りしているんですが、高齢者に対して研究する機関で、そこの研究結果が国に行って介護保険とか医療保険の道筋が決まっていくんです。
そこの主催の介護予防運動指導員という講座が各地であって、私はその講義をしています。5日間の講義で最後に試験をするというものなんです。
笹木
では治療よりもそちらの方に重点を置かれているんですか?
松浦
いいえ。それは土日だけですから。休みはないです。(笑)
都老研の先生方は科学者だから、三石先生と同じで筋の通った話しかしないです。
そこには研究所のほかには病院、老人ホームもありますよ。
以上が個人的な仕事と鍼灸師会の仕事です。
笹木
本当にお忙しいですね。
松浦
忙しいうちが華ですから(笑)ニーズがあって声がかかるうちはやりたいですね。
個人の仕事としてはALS(筋萎縮性側索硬化症)や脳卒中で歩けない方々に対して生活上の不具合を少しでも改善することが自分たちの目標ですからね。治すことはできませんから・・・
笹木
そういう場合は栄養のことが大きくかかわってきますよね。それに介護する方が倒れてしまったらどうしようもないわけですし。
松浦
身体には何が必要か、話せる内容はいっぱいあるんですけれど、ガンの末期とかALSなど難病の方には三石先生に教えて頂いたことを、そのままというのは出来ないんです。口から物が入らなくなっているわけですから・・・・栄養が必要なことが解っていても摂れない状態ですよね。
ご本人が摂れなくてもご家族は介護していてストレスが物凄いわけですから、その方たちにアドバイスをすることはできますね。「バランスの良い食事をしてください。」というようなことは誰でも言いますが、私たちはそんな通り一遍のことではなくて、もう少し突っ込んだ話ができますよね。
例えばコレステロールや血圧の話ですよね。先生がコレステロールは高くても良いと言ってらした時には、そんなことは誰も言わなかったのに今では変わってきましたよね。僕は30年前からそのことを話していますが、解ってもらえませんでした。
笹木
父が言っていた頃(1970年後半)は、お医者様は全く違う考え方でしたからね。
松浦
そうなんですよ。でも変わってきたからいいでしょ?じゃなくて、僕らはなぜ高くていいのかが説明できるってことなんです。
それは患者さん本人だけでなくご家族にも、非常に役に立つ話になるわけですから。講演と言っても介護予防についての話で病気の話をするわけではないんです。介護される側にならない為にはどうしたらよいかアドバイスします。
5日間の講義ですが都老研のテキストがあって、そこで栄養の問題、口腔機能の問題など教える立場なんです。
笹木
誰でも寝たきりにはなりたくないですからね。
松浦
寝たきりにならないということは介護の必要がないことですからね。介護が必要になる原因は二つあってALSとか脳卒中とか病気ですよね。もう一つは老年性症候群です。病名はなくドクターに「年のせいだね。」と言われるような状態、日常生活に支障がない状態、致命的ではない状態、と定義されているんです。
例えば失禁、認知症になる手前なんかもそうです。介護予防とは健康寿命を長くすることなんです。栄養と運動についてはアドバイスができますよね。栄養は三石先生に、運動は都老研で教えて頂いているので、筋の通った話ができるので自信を持って仕事ができます。
三石先生に教えて頂いたことで、そういう思考回路ができたのだと思います。
病気になったら治りたいと思うわけですけれど、なぜ病気になったのかを冷静に考えると。治るか治らないかは別の問題で、少しでも症状が良くなればいいという考え方ができてくると、違ったアプローチが出てくると思うんです。
こういう病気なら、何を飲んだらいいの?ではあまりにも短絡的ですし、良くならなければどうしてなんだろうということになるわけで、そんなに単純ではないはずなんです。
笹木
薬ではないので治るわけではないわけですよね。今の状態よりよくなるにはどうしたら良いかというように考えて頂きたいんです。
松浦
問題は歳をとってくるということなんです。若い人の回復力は凄いけれど、加齢とともに回復力は落ちてますからね。偉そうな話になってしまいますけれど、患者さんによく話すのは「人生の目的はなんでしょうね。」ということなんです。
「具合はよくなりたいけれど、今の状態でも何かできることがあるかもしれませんよね。」とか「少しでも良くなるように方法を考えましょうね。タンパク質やビタミンを摂ったほうがいいと思いますよ。」と話すと「なぜ?」と必ず言ってきますよね。それで先生に教えて頂いたことをきちんと話すんです。
主治医から「どうしてそんな話をしたのかと連絡があったので、説明をしたら先生の方でビタミンCは出すようにしましょう。」と言われてこともあります。でも、三石先生の仰った量や質はカバーできませんよね。ただ、患者さんは主治医が同じことを言ったことで信頼してくれます。その辺でジレンマはありますけれど、完璧に元に戻ることはないわけですから、少しでもQOLが上がって、いい人生だと思えればいいですよね。
笹木
そういう話し方は患者さんが信頼できますよね。
松浦
こういう話し方、考え方ができるようになったのは三石先生に出会ったからだと思うんです。それがなければいまだに科学的な考え方は出来なかったと思いますよ。
スタッフに説明してもなかなか解ってはもらえませんが、医師や看護師には信頼してもらえて患者数は多いですね。僕らは医者ではないという立場をわきまえていないとダメなんです。
患者さんには毎月例えば活性酸素のこと、痛みのことというように情報を送っています。
それは医師や看護師、ケアマネたちにも送っています。今年はインフォメーションの生物心理社会的疼痛症候群の痛みについて毎月書いているんですけれど、患者さんにも喜ばれています。
都老研では自律神経に作用させて血液の循環をよくして、認知症の症状を改善する研究をしていて、それには皮膚への刺激が一番いいんです。肌に触れることがいいんですね。手足を15分触っていることで脳の働きが良くなるというデータが出ているんです。
私は鍼灸師なので、針での刺激はどうですか?と聞いたんです。それは出来るはずだということで調べていた時に、インフォメーションに疼痛のことが出たんですよ。
笹木
タイミングが良かったんですね。
松浦
そうなんですよ!それで半田先生に連絡したんです。
「皮膚への刺激によって血管の内皮細胞から一酸化窒素が出て血管を広げるので循環が良くなるんでしょう。」と言われました。針を入れて血管が広がれば循環が良くなるので針治療が気持ちがいいわけですよ。
それで私が期待しているのは、針って気持ちが良いけれど、なぜ良いのかがわからないという疑問が解決するかもしれないんです。
それを都老研でやってもらおうとしているんですが、そのことのヒントになるようなことがインフォメーションに書いてあったんです。物凄い情報が詰まっていますよね。
なんども読み直さなければなりませんが、メグビーは物を売るだけではないという姿勢がそこにありますよね。
先生のお宅の勉強会に通い始めたころは何を言っているのか解りませんでしたね。
感想を聞かれても何を言えばいいか解らず「参った!」という感じです。
まだ20代でしたが解らない言葉は調べながら読みましたよ。
それがあったから今の僕があると思うし、良かったと思います。
笹木
充実していて楽しくお仕事をされていることがとてもよく解ります。
松浦
医療があって代替医療がありますよね。代替医療をする人でも患者さんの病気を治せると思っているかもしれないです。ドクターでも治せないのに、僕らは治せないですよ。
その人たちは屁理屈を付けているわけですよ。でも、三石先生は理にかなったことをやれ、合理的なことをやれと仰いましたよね。それを考えるとドクターが治す立場なら、違う立場でやらなくてはいけないわけで、日常生活の中の不具合を改善していくためのお手伝いをするには栄養も運動も必要なんです。
通りいっぺんの話は誰でも解っているので患者さんも聞きたくないんですよ。本当に三石先生にお会いできたことが嬉しいですね。
笹木
そういう形で父の話が生かされていることはとても嬉しいです。
松浦
「一つ一つの情報が与えられた時に、自分で学習して分解して組み立てなさい。それは難しいし、急にメリットができるわけではないけれど、それを繰り返しているとある時に脳の回路がつながりますよ。」と、言われたんです。5年位して、全部がつながって解ったような気がしたんです。それまでは言葉の羅列で何なんだろうって感じの時もありましたよ。でも、全部がつながった時、これが三石先生の言ってたことなんだ!と思ったんです。僕のように4年も5年もかからずに解って欲しくて健康通信を書き始めたんです。初めはコレステロールや活性酸素についてです。1980年代に活性酸素について書いた時に、「僕は初めて活性酸素というものを知ったのに、君はなぜ知っているの?」とドクターに聞かれましたよ。
患者さんで元東大の野球部の監督だった方に年齢を聞いたら三石先生と同年代だったんです。三石先生にいろいろ教えて頂いてそれを書いて皆さんにお配りしている。と話したら「がんちゃん?一緒に野球の本を書いたんだよ。」と。嬉しかったですねぇ。
笹木
それは奇遇ですね。
松浦
都老研では日本のトップのドクターに教えて頂き三石先生に教えて頂いたことをミックスすると患者さんに適切なアドバイスをすることができるんです。下地がなければできないことなので、あの時の勉強が本当に役に立っていますよ。でも何回もくじけましたよ(笑)読んでいてわからないのは辛いですから。
誰でもいつかは死ぬものなので、なるべくなら介護がなく自立した生活をしたいと思うわけですよ。自立した生活とは病気の予防や老化の速度を遅くすることなんです。
白沢卓司先生(順天堂大学院加齢制御医学講座教授)が老化の抑制を突き詰めて考えれば、介護予防になる。つまり、自立した生活が長くできると言ってますよ。
それを僕らの仕事と考えれば病気を治すとか治さないの問題ではない。というのが僕の考えです。それで自分のやるべきことが見えてくるんです。
それを含めて、日本在宅医学会で話したんです。日本鍼灸師会として、初めて講演したんです。半田先生に勇気づけられたのは自分の考えを発表する場だから、何を話してもいいと言われて気が楽になりましたよ(笑)どのくらい理解されてかは気になりますけれどね。
笹木
活躍されているんですね。ずいぶん前に在宅医療の仕事をしているとお聞きしましたからずいぶん長いですよね。
松浦
介護保険が始まる前ですから10年ちょっとです。
都老研で教わった介護予防のための筋力アップ運動の指導もします。昨日は20名ほど参加しましたが、ここが痛いとか調子が悪いのは何故だろうと言われても解りませんよ(笑)
お医者さんが解らないと言っているんですから。
そこで、「貧血は?」「コレステロールは?」とか聞くんです。「病院では高いと言われても、都老研では高いほうがいいというデータが出てますよ」とか「貧血があると長生きできないと言われてるけど、改善するにはタンパク質ですよ」と、栄養の話をするんです。
笹木
お話を伺っていて、松浦さんのような話し方だと信頼できると思いますよ。
松浦
そう言って頂けると嬉しいですが、信頼してもらおうとして話すのではなく、三石先生に教えて頂いた思考回路が信頼につながっているのかもしれませんね。
笹木
話の持って行き方で受け取り方は違ってきますからね。マッサージと鍼灸をする対象は違ってきますか?
松浦
みなさんが思い浮かべるような、温泉地で受けるマッサージとは違います。ストレッチ、筋力運動、三石先生のビタミンE(メグビーリキッド)を使ってのリンパマッサージですが、それは意味があるからやるわけです。患者さんに合った方法ですね。
鍼灸とかマッサージとかは社会的に認知度は高くないので皆さんに理解してもらうことも僕の役目だと思っているんです。
気持ちいい、というのではなくてなぜ気持ちが良いのかということです。提供している側が今の状況で満足しているならそれでよいのですが、少し違う人もいると思うんです。医療保険が使えるということは治すという意味にとられてしまうかもしれませんが、在宅医療は多職種で協力して地域で行うことなんですね。その中に鍼灸師も入れる可能性があるわけです。なぜかというと血行をよくし循環をよくすることができるわけです。
先ほど言った、一酸化窒素のことにつながるわけです。
最後に言いたいのは三石先生に接したことで知識が広がったということですね。基本的には「合理的な思考回路を持ちなさい。」と言われたことだと思います。
笹木
とても参考になるお話を、どうもありがとうございました。

松浦 正人 様:1955年生まれ 58歳(インタビュー時)

※個人の感想であり、製品の効能を確約するものではありません

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