阿部皓一先生インタビュー

阿部先生はビタミンがご専門なので、絶版になっていた「タンパク質の分子栄養学」「ビタミンEのすべて」「ビタミンCのすべて」の編集をお願いいたしました。
この3冊は、父の健在の頃に絶版になりました。新しい情報を加えたいので、このままでは増刷はしたくない。書き直すと言いながら、そのままになっていました。
それから25年程経ちましたが、読みたいとのお声が一番多い本でした。
阿部先生が「僕の勉強になるから、やりましょう!」と、快く引き受けてくださり、この度、再版が実現いたしました。

笹木
この度は編集をしていただき、ありがとうございました。先生にお引き受けいただけなければ実現しなかったので、感謝しています。 お忙しいなか貴重なお時間を割いていただき、タイトなスケジュールでの編集、本当にありがとうございました。
阿部
僕は面白かったですよ。難しいことを優しくわかりやすく書くことはとても難しいのに、先生の文章は本当にわかりやすく書かれていますよね。
三石理論の何が面白いかというと“考えること”なんです。哲学が基本になっていて何が真実かを見極めるという先生の姿勢が僕は好きですね。
栄養素とは何かを考えながら、毎日摂ることが原点です。 “ We are what we eat”と、言われるように身体は食べたものでできているわけですから、ヒトフードは健康に生きていくための原点ですよ。
ビタミンEとCは抗酸化ネットワークの原点ですが、そういうことを哲学的に、科学的に説明していますね。
哲学は偉大ですよ。哲学者は最後には医学に行きつきます。だから僕は哲学が好きですね。
笹木
宿泊研修では必ず「私の哲学」という父の講義が最初にありました。 祖父は中野区にある哲学堂を建てた井上円了(東洋大学の創設者)先生に呼ばれて、哲学や漢文を教えていたそうですから、影響を受けていたと思います。
父親が哲学でなければ、哲学を専攻したかもしれないと言っていたことがあります。 父はメグビーができた頃は、ヒトフードとビタミンEとCが十分なら病気の80%は予防できると言っていました。
阿部
そうだったんですか。僕は先生の「勉強しなさい。」「考えなさい。」と書いてあるところが好きだなぁ。三石理論はむちゃくちゃ素晴らしいですよ!
先生は仮説を立てて立証することが大切であると書いていますが、今の栄養学は統計学です。色々なもののデータを合わせて統計的に有意差があるかどうかを議論するんです。
それは医薬品ではいいけれど、栄養学は若干違いますよ。栄養学は小さな体感の積み重ねですが、小さな体感や作用というのは有意差が出るかどうかは難しいですね。
疫学調査がサプリメントでは大切だと思うんです。
先生の場合はケースレポートで、こういう場合には何を飲んで元気になって、さらになぜかということを書いていますね。他の本ではそこまで書いてないです。
E社の関連会社の社長から、三石先生をお呼びしてビタミンCの話をしていただいたことを聞いています。
笹木
メグビーが始まる前の話ですね。大きな和食器をいただいて帰ってきました。
阿部
先生の著書に出てくる村田先生やE社の薬理研の所長の宮尾さんは、よく存じています。
笹木
玉ねぎの研究の宮尾先生ですよね?何度かメグビーにいらっしゃいました。
メグビーができる前に、ビタミンCがご専門の村田先生とビタミンCで褥瘡を改善した松家先生と父とで、Cについてパネルディスカッションをしたことがありました。
阿部
僕はビタミンC委員会に入っていたので村田先生とは接点がありましたけれど、三石先生とはダイレクトな接点はありませんでしたね。
お元気だったら、何故、DNAやプロリンは五員環であるかなどを議論してみたかったなぁ。
栄養は毎日とって、身体を作るわけで原点ですよね。
薬は具合の悪い時に飲んで、効いたらやめてさっさと身体から出すわけですよ。薬は排泄されなければならないものです。だから、薬と栄養には大きな違いがあると思うんです。
昔はビタミン欠乏症なんかがあったけど、今はそこまで重篤にはならないので、医薬品の必要は少ないと思いますよ。
先生は“ゆらぎ”について、書いてますよね。“ゆらぎ”は物理・哲学用語だけれど、音楽用語でもあるんですよ。
でも、医学や農学では“ゆらぎ”は出てこないです。
“ゆらぎ”は健康の元ですよ。栄養学をやる人は、哲学を勉強しないとダメですよ。
先生はカントですが、僕はデカルトなんです。
僕の好きなデカルトは「真と偽を見極めなさい」「物を全てパーツに分けなさい」「易しいところから説明しなさい」「検証しなさい」と言っていますが、先生の栄養学はまさにそれなんですよ!
三石先生の栄養学は哲学から来るから、僕はとても共感できるんです。
先生の本の好きなところは、教科書と違って、自分が考えていることを文章にしているんです。最後まで現役、ということも説得力がありますよね。
僕がメグビーに伺ったのは、事務所が江古田の時にトコフェロールの話をして欲しいと半田さんに言われたのが最初です。
あの頃メグビーでは、バランスボールの指導もしていましたよね?
栄養も大事だけれど、運動はとても大切ですよ。基本だと思いますよ。
笹木
当時は定期的にバランスボールの教室がありました。
阿部
僕は1972年から47年間、ビタミンEの研究・情報業務をしています。E社の二代目の社長に「儲けなくてもいい。理論武装だけやってほしい。」と言われたんですよ。これには感激しましたよ。
世界でも研究者は何人もいますが、ビタミンEに関して、多くは僕のところに情報が入ります。
今度ビタミンの話をさせてくださいよ。
笹木
本が出たら講演会をお願いしたいと思っていたんです。
阿部
講演会じゃなくて寺子屋的にやりたいから、ここ(メグビー本社)がいいですよ。
三石先生の考え方がいかに大切かを話してみたいんです。講演料なんかいらないから是非話させてくださいよ。
笹木
ぜひお願いします!
阿部
食べた物で身体は作られているわけですから、タンパク質は原点ですよ。三石理論は科学に則った栄養学ですから、説得力があります。
先生の本は一度じゃなくて2回3回と繰り返し読んで欲しい本ですね。
良質なタンパク質を摂らないと、身体はきちんと働いてくれませんからね。ヒトフードですよ。
僕がメグビーを飲んでみたいと思ったのは、僕と同じ年齢の社長の背が縮んでいないと聞いたからなんです。
笹木
確かに父もそう言っていましたね。背が高い方ではなかったのに、みんながだんだん小さくなって今では友人の中で一番大きいと言ってました。
先日お電話をいただいた方は、骨密度が年齢の割に少ないと言われていたのに、メグビーを飲むようになったら、先生に骨密度が上がったけれど、何かやったのかと聞かれたそうです。ヒトフードだけではなくて、メグビーのAもボーンもDECも飲んでいらっしゃいますけれど・・・・
阿部
きちんと栄養を摂っているかどうかで差が出ますね。骨もタンパク質だということに、僕は気づいてなかったんです。ヒトフードは飲みやすいですね。
中島先生(2016、3に対談)の「歯原病」の本を頂いて、講演の参考になりましたよ。
笹木
先生が歯周病の話をなさる時でしたね?
中島先生はインプラントの手術の時にメグビーを薦めてくださるんです。手術前に飲んでもらうと、結果が全然違うそうです。
阿部
インプラントを入れても歯石を取っても傷ができるので、タンパクやビタミン欠乏だと創傷治癒が早いか遅いかが違ってくるんです。そういうことを話したいですね。
中島先生に聞かれたら叱られちゃうかな(笑)
ヒトは歯から老いるんです。
高齢者の90%位が歯周病だと言われていますから、誰でもメグビーが必要なんですよ。
もちろんタンパク質が原点ですよ。身体は食べたもので作られていますからね。
ビタミンDが皮膚で活性化しているのではないかと言われているので、皮膚とビタミンの関係とか、面白い話をさせてください。(笑)
笹木
私は歯周病になりたくなくて、年に2度歯科検診に行きますが、この歳でも歯周病はないんです。(笑)
先生が「僕の父は玄界灘で歯科医をしているので、溺死体は歯で推定年齢を調べるんですけれど、変な話、笹木さんの歯だと実年齢はわかりませんよ。」と言われましたが、長年飲んでいるからだとその時に思いました。
阿部
歯周病にはビタミンは全部効くんです。A、βカロチン、C、E、B群、Dも必要ですね。
色々なものを摂らなくてはいけないと最近思っています。
歯周病の人は血中の抗酸化物質が下がっていて、過酸化脂質がぐんと上がっているんですよ。
笹木
さっき先生が、ビタミンEを塗るのも良いって仰ったけど、肌が綺麗なお客様何人かに聞いてみたらナイトクリームの代わりにメグビーリキッド(液状のビタミンE)を使ってくださっていました。
阿部
それはいいですね。シミが薄くなりますよ。ビタミンAもいいですよ。
皮膚はビタミン欠乏が一番現れるところです。
角質層は抗酸化物質の濃度がめちゃくちゃ高いんです。角質層は爪と同じ死んだ細胞ですよ。真皮から表皮に細胞が動いていくんです。
皮膚のターンオーバーは28日と言われていますけど、これは若い時の話で、我々の年になると100日ですよ。(笑)
つまり、皮膚には老化が出るということです。ビタミンを優先的に血中からトランスポートできるシステムになっているんです。
皮膚の研究は非常に遅れています。我々がダイレクトに外界と接するのは皮膚なんです。抗酸化物質も日光に当たるところに多くあるんです。
飲んだビタミンEは、3週間くらいで皮脂腺から出てきます。
ビタミンBは炭水化物とプロテインと脂質の代謝がエネルギーに変わるとき全部に関わっているんですよ。
それが効率よくいかない場合、最も現れるのが皮膚だろうと言われています。
創傷治癒というのは真皮と表皮がうねって山になっているコラーゲンなんかがダメになって、平らになって膜が剥がれやすくなるんです。だから傷がつきやすいんです。
そうそう、コラーゲンはアミノ酸からできているから、タンパク質が必要ということになるんです。角質層は死んだ細胞だから血が出ないんです。高齢になるとすぐに出血するのは、剥がれやすいからです。
ビタミンEを飲んでいる人の肌はつやつやしていますよ。塗ればもっといいですよ。シミが薄くなるというのは統計ではなくてケースレポートです。そこに今話した創傷治癒の概念を入れなければダメですよ。
傷がどう治るかということをきちんと研究している人はいないんです。肌のサプリメントはどこにもないですよ。
コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンはもちろん大切ですよ。でも三石先生は、材料がなくては造れないと書いてますね。その物をとってもダメなんですよ。
笹木
そうですね。ヒトフードをしっかり摂ることですよね。
阿部
ビタミンEの研究は“しもやけ”からスタートして、製品化されたんです。“しもやけ”とビタミンEの研究は日本が最初です。
食物がどういう働きをしていて、身体に入った時にはどういうトランスポーターが働いているか、飲んだらなぜ良いのか、ということを僕たちは議論するんです。「飲んだら良いです。」ではダメですよ。
人は1/Fのゆらぎを聞くと、幸せになるんです。それが音楽ですよ。ゆらぎは生命にとって最も大切なものだと僕は思っています。
先生の哲学と物理学の基本はすごいですね。本を読んでいると、とても感じますね。
先生の本は語りかけるように、症例を出してわかりやすく書いています。
今度の3冊は全部そうです。
自分で勉強して考えて、読み手が解るように説明しているんです。これは、すごいですよ!
今は図がないとダメですね。図があるとないとでは理解度が10何倍って違うことが証明されています。
頭で考えて、この体の悩みにはどうやったら良いだろう、この場合栄養素はどうしたら良いだろうと考えていけば“売り”も来ると僕は考えているんですよ。
サプリみたいに最初からマーケットがあって、コマーシャルがあってそれに物を合わせるというやり方もあるけれど、それは少し違うと僕は思います。
笹木
メグビーは、本を読んで理論を理解してくださるような知的なお客様が多いです。理解してくださるから、長い間続けて飲んでくださると思っています。
阿部
心配なのは、若者が本離れしていて本屋が倒産の危機にあるんです。出版社も淘汰されてきています。
媒体は本でもテレビからでもなく、フェイスブックとかユーチューブなんかになってきていますよね。
これからどうしたら良いかが、会社の課題ですよ。
笹木
メグビーは60代70代の方が多いから、今はいいけれど、あと20年もしたらそういう時代になりますよね。
阿部
栄養っていうのは基本なんです。
食べたもので我々の身体はできていますから、その原点を忘れてはダメですよ。
笹木
土壌は汚染されているし、ハウス栽培だし、昔のように栄養は含まれていませんよね。
だから、こういう形で栄養補給をしなければ、本来の身体の機能がちゃんと働かないと思います。
阿部
大賛成です。超スピード化時代になってきて食べる時間は短いし、咀嚼もしないと言われていますね。
咀嚼と歩くことが大切ですよ。それが、老化防止なんです。
それと、日本はいたずらにダイエットをしますよね。だから完全にエネルギーが不足してきますよ。
アメリカは太らせてから、ダイエットをさせるんです。メタボの市場を作るんです。そこが大きな違いです。
平成生まれは100歳まで生きると言われていますよ。それには、医療の向上もあるし、食生活も良くなってきているし、マスコミは健康の情報を発信しているから、プラスにはなっていると思いますよ。
笹木
父は抗酸化物質やビタミンを毎日摂っていれば、解毒されるから何を食べてもいいと言って全く気にしませんでした。とにかく食べてはいけないものは、ショートニングとマーガリンだけだと言っていました。
阿部
野菜なんかの栄養素が、昔とはどのくらい減っている、ということを研究している先生が少ないんですよ。
例えばシソの葉は虫が食っていないでしょ?あんなのは食べてもだめですよ。
笹木
庭で育てると、ものすごく虫がつきますよ。
阿部
それですよ!それを食べるのがいいんです。防虫剤か何かが入っていると食育の先生は言うんですよ。
だんだん話はそれてしまって、まとめるのが大変ですよね?(笑)
結論として僕が言いたいのは、三石理論はめちゃくちゃ素晴らしいということなんです。
繰り返し言いますけれど、栄養というのは科学であり、科学は哲学だから、哲学と栄養学を結びつけなければならないんです。
それはどういうことかというと、考えることなんです。
先生は自分で考えたことを本に書いているということなんです。そこが、栄養のことを書いた他の本との大きな違いです。
お世辞抜きで、三石理論に則ってやれば健康を維持できると思いますよ。
先生の本を丁寧に読んで解説していく、という勉強会をやるのがいいですよ。先生の理論は奥が深いから、よほど勉強しないと付いて行かれないですよ。
そう言う勉強会が、必要ですよ。
“ゆらぎ”のように先生が考えている根底が理解できないと、難しいです。上っ面ではダメですよ。そして、自分が実践しないと話せないですよ。
笹木
どのように説明したら、解っていただけるのかがメグビーの課題ですね。
祥伝社が各地の新聞に広告を出していますが、それを見て、本を買って、直接ご相談に来られるという方が増えてきました。
電話だけではなくて、会って説明を聞きたい、体調によって飲み方を教えて欲しい、ということで、ご相談にみえる方が多くなってきていますね。
阿部
まさに、テーラーメイドですね。
本を読んで理解して、実践したいと思うくらい、惚れてくれるかどうかですよね。
理論に惚れたら実践しなければダメですよ。
血中濃度を測っても意味がないです。変動もあるし、どこで測るかによっても違いますからね。ビタミンの生体内プールに付いて議論するんですが、ビタミンで圧倒的に多いのがビタミンEで3g位、次に多いのがCです。
たくさん飲めば5g位は貯めておけるんです。プールしておくのはすごく大切なことで、無くなってから補給してもなかなか貯まらないんです。プールしているということは必要だからです。
ビタミンEが多いということは、特に必要だからなんです。Eは膜フィッテイング型(生体膜にフィッティングする)の抗酸化剤で、他にはあまりない形なんです。生体膜にピタッと入るんです。ビタミンCは水溶性だし、Q10は中の方にあるんですよ。
ビタミンB12を悪性貧血の人に入れても血中濃度は上がりません。
色々なところに入って、色々なところにプールされて初めて働くんです。だから特に最初は、たくさん必要なんです。
プールしてある以外に、身体で使う分がありますからね。溢れるぐらいじゃないとダメなんですよ。
ビタミンEは皮下脂肪にも溜まるんです。皮下脂肪は物言わない臓器ですから働かないので、不足しても皮下脂肪ではなくて肝臓から動員されるんです。たくさん貯まれば皮脂腺からジワジワと出てきますよ。
代謝の材料が必要ですから、やっぱりヒトフードです。
笹木
メガビタミンが肯定された、ということですね。
亡くなって20年も経っているのに再版されるのは、珍しいことですよね?
阿部
そうです!価値があるっていうことなんです。
価値のないものはだんだん無くなっていきます。先生の理論は100年経っても腐らないです。いいものは、流行らないけど長続きします。
いい本は何回読んでも為になるし、新しい発見があるんですよ。先生の本も3回は読んで欲しいですね。
笹木
本の宣伝もしていただいて、ありがとうございました。
この対談を読んだら、皆さん先生の講演を聴きたくなると思います。計画を立てますので、その時には、よろしくお願いいたします。

阿部 皓一 先生:1947年生まれ 70歳(インタビュー時)

※個人の感想であり、製品の効能を確約するものではありません

インタビュー一覧に戻る